鉄道会社傘下のインバウンド富裕層向けホテル対策

写真:©奈良ホテル
JR西日本は、国内外の有名人らが多く宿泊し、「関西の迎賓館」として親しまれる奈良ホテルを完全子会社化したと発表した。
これまでも同ホテルの株式の50%を保有していたが、近鉄グループホールディングス(HD)が保有していた残り50%の株式を取得し、訪日外国人客が増加する中で、経営判断のスピードを早め競争力を高めるのが狙いだ。

奈良ホテルは、日露戦争後、増加する西欧からの訪日客をもてなす「関西の迎賓館」として建設された。東京駅の駅舎を手掛けた辰野金吾氏が設計した創業当時のままの外観が特徴で、皇族方が宿泊されることで知られ、物理学者のアインシュタインやヘレン・ケラーといった歴史的な人物も宿泊した。

太平洋戦争後の米軍による接収などを経て、昭和58年に旧国鉄と近鉄が50%ずつ出資した株式会社になった経緯がある。現在はJR西日本ホテルズと近鉄グループの都ホテルズ&リゾーツの両ホテルグループに加わっている。

奈良にはマリオットホテルの建設が予定されているだけでなく、近隣の古民家が高級宿として改装をすすめるなど宿泊施設同士の競争が激化していくとみられている。奈良公園の中にあり、東大寺など観光スポットが多い奈良ホテルは、近年訪日客も増加傾向にある。これまでは、大阪や京都から電車で1時間かからないということもある、日帰り客が多かったが、外資系の高級ホテルの進出をきっかけに、宿泊地としての存在感が一気に高まる可能性がある。

奈良ホテルを完全子会社化するJR西日本は、人口減少に伴う鉄道利用者の減少を見越して観光事業を重視している。
グループのホテルの客室数を5年後には1.5倍近く増やす狙いがあり、奈良ホテルの経営を一手に握ることでJRグループを代表する高級ホテルとしての位置付けを明確化し国内外にPRするのが狙いだ。鉄道と宿泊のパッケージなどで、京都や大阪に集中していたインバウンド需要を掌握していく。

参照:産経WEST

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