昭和の話かもしれないが、国内の一流ホテルは香りせず、香りのする部屋は販売できない。そのホテルで働く一流のホテルマンはお客様に香りで不快感を与えないように整髪料も無香料のものしか使用せず、前日の食べ物にまでも気を使っている。と聞いたことがあったが、最近ホテルのロビーに足を踏み入れると、いい香りに癒されることが多いのは私だけだろうか?
近年、欧米豪をはじめとする海外からの訪日富裕層の増加を受けて、ホテルの香りによる空間演出が増えているそうだ。
ホテルが演出したいイメージや客層などを考慮した上で香りを選択し、他ホテルと差別化しているという。確かにグリーン系の爽やかで軽やかさを感じさせるホテルもあれば、ムスクと果実を混ぜたようなフレッシュさの中に重厚感のある香りを用いたホテルもある。
香りを効果的に利用することで、香りからその時の記憶や感情が蘇るプルースト効果が得られるという。
プルースト効果とは、フランスの小説家・マルセル・プルーストから冠したもので、同作家の『失われた時を求めて』( À la recherche du temps perdu)の長編小説の中で、香り無意志的にその時の記憶や感情が蘇る事をいう。 大脳辺縁系は食欲などの本能的な行動や、喜怒哀楽などの感情を司る所です。 嗅覚はこの大脳辺縁系と直接結びついており、これは五感の中で嗅覚だけが持つ特徴です。
今後も増え続けるインバウンドの増加で、国内のホテルでも続々と香りを導入する傾向は強くなっていくのであろう。
参照:失われた時を求めて
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