2018年までに、シャンパーニュとブルゴーニュに新たな2つのホテルを開業予定のコーダリー。
今後はワインツーリズムにも力を入れるという彼らは、「コーダリー」というブランドをどう捉えているのか。
ホテル部門の責任者であるアリス・トゥーヴィエさんに話を聞いた。
取材・文:党 淑潔
ホテル・コスメ・ワイン3つのブランドの相乗効果で成長を続けるコーダリー
現在ボルドーとパリ近郊でホテル展開しているレ・スルス・ドゥ・コーダリー。
女性なら一度は手にしたことがあるだろう、あの有名なスパコスメブランド「コーダリー」を事業展開するカティアールファミリー所有のホテルだ。
ホテル部門の責任者アリス・トゥーヴィエ(旧姓:カティアール)さんは「今まで2つのホテルのみで事業展開をしてきましたが、来年にはシャンパーニュに、2018年にはブルゴーニュのディジョンに開業を予定しています」と今後の展開について話をしてくれた。
「コスメティック関連は妹が責任者として事業を統括していますが、もちろんコーダリーホテルのスパでもコーダリー製品を使っています。
コスメティック商品という視点でいえば日本よりも韓国の方がいい動きになっているようですね。
韓国でのマーケティングの成功もあってセールスも順調に右肩上がりで伸びています。
韓国人のハイエンドのお客様は美に対する投資を積極的に行っているように思います」とアリスさん。
日本のマーケットに関しては、コスメ製品がパラベンフリー(防腐剤不使用)などの理由から関税検査に引っかかることがあり、日本にも輸出はしているものの、なかなか販売するのが難しいのだという。
「ファミリービジネスとして役割分担をしておりますが、私たち一家は非常にいいバランスを保っていると確信しています。
妹のコスメティックと両親のワイン事業は高級品としてのマスマーケット、私のホテルはそれらを使ったり飲んだりしていただけたハイエンドのお客様のマーケットを獲得すべく営業しております。
今後も3つのブランドがバランスよく成長する努力を続けていけると思っています」。
ボルドーのコーダリーはミシュラン2つ星のレストラン「ラ・グランヴィーニュ」を併設していて、料理も洗練されている。
また、ホテルスタッフの教育もよく行き届いていて、ホスピタリティも5つ星ホテルの名に恥じない素晴らしいものだった。
シャンパーニュ&ブルゴーニュ新たな2つのホテルの開業で
さらに魅力的になっていくワインツーリズム
今後のホテル事業の展開についても聞いてみよう。
「今後はワインツーリズムに力を入れていきたいと思っています。
このボルドーコーダリーホテルは南北のワイン産地を訪れるのに絶好の位置にあります。
南には当社スミス・オー・ラフィットを始めとするペサック・レオニャンの辛口ワインの産地が、北にはソーテルヌ(車で30分)やサンテミリオン(車で1時間半)などの甘口ワインの産地があります。
足を延ばしてメドック北部に行く場合でも車で2時間です。
新たな2つのホテルも同様です。
シャンパーニュはパリからTGVで50分の場所で、ランスとエペルネのちょうど中間に位置する場所に開業予定で、2018年開業予定のディジョンはブルゴーニュの玄関口です。
今後は世界中のワイン愛好家に、フランスを訪れた際当ホテルを利用いただきたいと思っています。
特に日本の富裕層はワインに造詣が深い方が多いと聞いておりますので、はぜひ利用いただきたいですね」。
アリスさんは非常に親しみやすい優しい方で、終始和やかなムードで進んだインタビューだった。
アリス・トゥーヴィエ氏
レ・スルス・ドゥ・コーダリーホテル部門責任者