上高地のホテル、富裕層や外国人の集客強化

写真:©上高地ホテル白樺荘
長野県松本市、山岳景勝地の上高地で、27日の「開山祭」に合わせてホテルが設備刷新を本格化している。上高地アルペンホテルは客室を洋風化し、上高地ホテル白樺荘はテラスレストランを新設した。上高地帝国ホテルは85周年記念の特別プランを企画するなど、観光客数が減少する中で国内外の富裕層や訪日外国人に焦点を当てた高級化路線が一段と進んでいる。

上高地ホテル白樺荘は眺望に恵まれた立地環境を生かし、1階の空き地部分に雄大な穂高連峰を眺めながら食事ができるテラスレストランを開設し、27日から営業を始める。上高地では昼食時にホテルなどのレストランを利用する客もいるが、日帰り客などはベンチで軽食で済ませる客も多い。新設のテラスレストランは上高地の散策路からも入ることができる。日帰り客にも風景をじっくり楽しむスタイルを定着させ、長期滞在につなげたい考えだ。

高級山岳リゾートホテルの先駆けとなった上高地帝国ホテルは26日から、開業85周年を記念したサービスや商品を提供する。目玉は2泊3日の記念宿泊プラン。東京都内からホテルまでハイヤーで送迎するサービスがつく。交通規制されている上高地へ乗り換えなしで旅行できる。記念ワインやオルゴールなども付いている。価格は85周年記念に合わせて2人利用で85万円(税・サービス料込み)。中高年の富裕層の利用や、両親へのプレゼントの需要を期待している。

観光シーズンの開幕を告げる27日の上高地開山祭は今年で50回目となるが、観光客は年々減少している。最盛期には200万人を超える観光客が訪れたが、マイカーの乗り入れ禁止など交通規制や天候の影響などにより、最近は120万人にまで落ち込んでいる。一方でホームページの多言語化にも接客的に取り組んだ結果、訪日客は増加しており、富裕層を狙った高級化路線で回復に努める動きが続いている。

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