京都市内の料亭や病院などを富裕層向けの宿泊施設に活用する動きに、首都圏の不動産会社や投資会社が開発に乗り出している。
京都市東山区祇園の元料亭「美濃幸」は、大正時代後期に建築された本館を生かして客室仕様に改装し、新館も建設。全23室のラグジュアリーホテルで伝統的な日本家屋が体験できる本館と、和風モダンな新館で外国人観光客らにアピールする考えだ。
叡山電鉄八瀬比叡山口に近い左京区上高野の元病院施設を改修し、来年をめどに高級ホテルとして開業させる。やや広めの客室を設け、海外の富裕層をターゲットにする計画だ。別の目的と組み合わせ、ここに来なければ受けられないもてなしをしていきたいと意気込む。
1873年創業の老舗旅館「要庵西富家」(中京区)も、富裕層に対応するため、2016年に2室を一体化させて最上級客室を整備、今年3月には宴会場を食事用の個室3室とワインセラーに衣替えした。多言語で接客できるよう、スペイン人とインドネシア人のスタッフも採用した。女将の西田恭子さんは「京都らしさを残しつつ、外資系ホテルなどに負けない心地よい空間をつくり、生き残りを図る」と力を込める。
急増する訪日外国人観光客や国内シニア層の需要から、京都の旅館や事業者は高級化路線への投資に余念がない。
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